DX — 2026.07.22
IT担当がいない会社のDX、何から始める?|決めるのは「旗振り役」
「うちには情シスもIT担当もいない。それでもDXって進められますか」
北海道の中小企業の経営者から、よくこう聞かれます。
先に結論を言うと、IT担当がいなくてもDXは進められます。
ただし条件があります。
社内に「旗振り役」を決めることと、外部に任せる部分と社内に残す部分を最初に切り分けることです。
この記事では、専任者がいない会社が現実的にDXを進めるための考え方を整理します。
なぜ「IT担当がいない」はDXの障害にならないのか
DXが進まない会社の多くは、実は「IT担当がいないから」ではありません。
「誰も決めていないから」進まないだけです。
専門知識がある人が社内にいなくても、外部の伴走を使えば技術的な穴は埋められます。
埋められないのは「何を変えるか」「誰が判断するか」という部分です。
これは、社内の誰かが持つしかありません。
実際、IT担当がいる会社でもDXが進まないケースは珍しくありません。
担当者を置くことと、旗振り役が機能することは別の話だと考えたほうが実情に近いです。
旗振り役は誰が担うべきか
経営者自身が現場の細部まで見るのは現実的ではありません。
とはいえ、完全に外部任せにすると社内の実情と合わない提案になりがちです。
現実的なのは、経営者か現場をよく知る責任者が兼務で旗振り役を担う形です。
肩書きよりも、判断を任せられる立場にあるかどうかが基準になります。
旗振り役の仕事は「決める」ことに絞り、作業そのものは持たないと決めておきます。
設定や資料作成、ツールの選定調整といった実務は、外部に渡してよい部分です。
誰も旗を振らないまま外部に相談すると、提案が現場に合わず止まってしまいます。
ここだけは、社内の誰かが担う必要があります。
外部に任せる部分、社内に残す部分
すべてを外部に委託すると、社内にノウハウが残らず依存が続きます。
逆に、すべてを内製しようとすると専任者がいない以上どこかで止まります。
どちらに寄りすぎても、どこかで無理が出るという点は共通しています。
① 「判断」は社内に残す
どの業務を自動化するか、何を優先するか——ここは社内で決めます。
現場の事情を一番知っているのは、やはり社内の人間だからです。
② 「実装・作業」は外部に任せる
実際のツール開発や設定は、外部の伴走に任せてよい部分です。
ツールの操作に慣れる部分だけ社内で覚え、仕組みをつくる部分は任せる、という分け方でも構いません。
この切り分けができていれば、専任のIT担当がいなくても運用は回ります。
外注先の見分け方はIT担当がいない会社のためのAI・DX外注の選び方にまとめました。
小さく始めて、社内に定着させるには
最初から全社的な仕組みを入れようとすると、担当が誰であれ負担が大きくなります。
まずは一つの業務、一つの作業に絞って小さく試します。
現場が「これは楽になる」と実感できる形をつくることが先です。
定着すれば、次の一歩は社内の誰かが自然に言い出します。
複数の部署をまとめて一度に変えようとすると、旗振り役の負担が急に増えて途中で止まりがちです。
範囲を絞ることは遠慮ではなく、続けるための設計だと考えてください。
進め方全体のステップは中小企業のDX、失敗しない進め方5ステップもあわせてどうぞ。
よくある誤解——旗振り役は「詳しい人」でなくていい
旗振り役と聞くと、ITに詳しい人を選ばなければと思われがちです。
しかし、必要なのは詳しさではなく「決める権限と現場感」です。
詳しさが必要な部分は、外部の伴走がいくらでも補えます。
旗振り役に求められるのは、答えを出すことより問いを整理することです。
DXと言葉が似ている「IT化」「デジタル化」との違いはDX・IT化・デジタル化は何が違う?で整理しています。
言葉の整理がつくと、旗振り役が何を決めればいいかも見えやすくなります。
「うちは何から?」からご相談を
Ridge Forge は札幌を拠点に、社内にIT担当がいない北海道の中小企業のDX・業務改善に伴走しています。
「誰が旗振りをして、どこを任せればいいか」の整理から、一緒に進めます。
DX全体の進め方は中小企業のDXの進め方、AI顧問という選択肢はAI顧問(DX顧問)とは?もあわせてご覧ください。
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