システム開発 — 2026.06.02

「とりあえずシステム化」が失敗する理由|要件整理という土台

暗がりの中、土台の石組みだけが先に光を受けて据えられ、その上に建物の骨組みが立ち上がろうとしているイメージ
建物と同じでシステムも土台から。要件整理という基礎が後のすべてを支える。

「細かいことは、作りながら決めればいい」

システム化でつまずく会社の多くがこの言葉から始めています。

気持ちは分かります。早く形にしたいですし、話し合いより手を動かすほうが進んでいる感じがする。

ですが、システム開発が失敗する最大の原因は、この「要件整理の不足」です。

この記事では、作り始める前に押さえるべき「要件整理という土台」の話をします。

「とりあえず作る」と何が起きるか

要件を固めずに走り出すとたいてい次のことが起きます。

  • 作っている途中で「やっぱりこうしたい」が次々に出て、終わらない
  • 完成したのに現場が求めていたものと違う
  • 作り直しが重なり、費用も期間も膨らむ
  • 誰も責められないまま、なんとなく使われなくなる

共通しているのは、「何を作るか」の合意がないまま手を動かしたこと。

これは家を設計図なしで建て始めるようなものです。

要件整理とは「困りごとの翻訳」

要件整理と聞くと難しそうですが、中身はシンプルです。

現場の困りごとを「何を・どう解決するか」に翻訳する作業です。

「毎月の集計に時間がかかる」という困りごとを、「この数字を自動で集計して、この形で出す」という具体に落とし込む。

この翻訳がしっかりできていれば作るものはブレません。

逆に、ここが曖昧なままだといくら腕のいい作り手でも的を外します。

整理しておくべき4つのこと

① 何に困っているか(目的)

解決したい困りごとは何か。ここがすべての出発点です。棚卸しの仕方は困りごとの棚卸しが参考になります。

② 今どうやっているか(現状)

今の業務の流れを書き出します。ここを飛ばすと現場に合わないものができます。

③ 絶対に外せないこと(優先順位)

「あれば便利」と「これがないと困る」を分けます。全部を詰め込まないための線引きです。

④ どこまでやるか(範囲)

最初に作る範囲を決めます。広げすぎないことが費用と成功率を左右します。

「全部盛り」を避けるとうまくいく

要件整理でいちばん大事なのは、作らないものを決めることかもしれません。

あれば便利な機能を全部入れると重く・高く・使いにくくなります。

本当に効くのは、たいてい全機能のうちのごく一部。

だから「一番困っている一機能」に絞り、小さく作って育てるのが正解です。

この考え方はAIでつくる自社専用システムや、費用面では業務システムの費用の考え方にもつながります。

既製品を選ぶときも、要件整理は効く

要件整理は、ゼロから作るときだけの話ではありません。

「何が必要か」がはっきりしていれば既製ツールが自社に合うかどうかも正しく判断できます。

ここが曖昧だと高機能なのに使われないツールを掴んでしまう。

詳しくは既製SaaSが自社業務に合わない理由をどうぞ。

作り始める前の「土台づくり」から

Ridge Forge は札幌を拠点に、社内にIT担当がいない北海道の中小企業のシステム開発・業務改善に伴走しています。

私たちが最も時間をかけるのがこの要件整理という土台です。

「そもそも何を作るべきか」の整理から一緒に進めます。DX全体の進め方はDXの進め方5ステップもどうぞ。

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