業務自動化 — 2026.08.03
北海道の介護施設|シフト作成と記録をラクにする順番
「シフトを組むのに、毎月半日は取られています」
北海道内の介護施設から、この言葉を何度も聞きます。
希望休を見ながら、夜勤の並びを考え、資格者の配置を確かめ、消しては書き直す。
そして月末には、手書きの記録を数え直して集計する時間がまた来ます。
どちらも利用者に向き合う時間ではありません。
この記事では介護施設の事務負担がなぜ重くなるのか、どこから手をつけると効くのかを順番に整理します。
要点:介護施設の事務が重いのは、記録の様式が外から決まっていて減らせないうえ、シフトが人・資格・時間帯の3つを同時に満たす必要があるからです。手をつける順番は①シフト作成 → ②手書き記録の転記 → ③月末の集計。シフトは「組む」作業から条件を書き出して候補から選ぶ作業に変えるだけで負担が大きく変わります。記録は選ぶだけの形に寄せ、集計は自動に。北海道では冬の通勤事情による急な交代が多く、組み直しの速さが効きます。
介護施設の事務が重くなる3つの理由
まず、担当者の段取りの問題ではないことを確認しておきます。
構造として重くなる理由が3つあります。
1つ目は、記録の様式を自分たちで決められないことです。
運営基準や加算の要件にひもづく記録は、施設の都合で簡略化できません。
2つ目は、シフトが同時に複数の条件を満たす必要があることです。
時間帯ごとの必要人数、有資格者の配置、夜勤の連続や間隔、希望休、パートの勤務できる曜日。
1つ動かすと別のどこかが崩れるため、手で組むと時間がかかります。
3つ目は、締めが月末に集中することです。
勤務時間の集計、加算の要件確認、給与のもとになる数字づくりが同じ時期に重なります。
この3つが揃うと、事務は「空いた時間にやる仕事」ではなくなります。
時間を奪っている4つの作業
施設から相談をいただくとき、話はほぼこの4つに集まります。
① 毎月のシフト作成
最も重い作業です。
紙やExcelで組み、途中で希望休が入って組み直し、公開後にも交代が入ります。
作れるのが管理者1人だけ、という状態も珍しくありません。
② 手書き記録の転記
現場で紙に書いた内容を、事務所のパソコンへ打ち直す作業です。
書く行為が二度発生しており、しかも打ち直しは夕方以降に固まります。
③ 申し送りの重複
口頭で伝えた内容を、ノートにも書き、記録にも書く。
同じことを3か所に残している施設は少なくありません。
④ 月末の集計
勤務時間、夜勤回数、加算に関わる実施状況。
紙を1枚ずつ数える作業は、締めの時期の残業をつくる代表格です。
この4つは、どれもケアの質そのものには関わりません。
だからこそ手放す優先度が高い作業です。
任せる作業の見つけ方は「人がやらなくていい作業」の見つけ方で詳しく整理しています。
手をつける順番は「シフトから」
全部を一度に変える必要はありません。
順番を守ると途中で止まりにくくなります。
おすすめは次の順です。
- ①シフト作成:毎月必ず発生し、担当者が固定されている=効果が読みやすい
- ②手書き記録の転記:現場の入力を変える必要があるため、シフトで信頼を得てから
- ③月末の集計:①②のデータが溜まれば、ほぼ自動で出せるようになる
逆にやりがちなのが、記録から手をつけることです。
記録は現場全員の手順を変えるため抵抗が大きく、最初の一歩には向きません。
シフトは管理者の作業なので、対象が少なく試しやすいという利点があります。
シフトは「組む」から「選ぶ」へ
シフト作成の負担は、作業そのものより条件が頭の中にしかないことから来ています。
ベテランの管理者ほど、資格・相性・体調・希望を暗黙に考慮しています。
だから他の人が代われません。
ここを変える手順は次のとおりです。
- 時間帯ごとの必要人数と資格の条件を書き出す
- 夜勤の連続・間隔など、守るべき決まりを書き出す
- 職員ごとの勤務できる曜日・時間帯を登録する
- 希望休を入れる
ここまで用意できれば、条件を満たす候補を機械的に出せます。
管理者の仕事はゼロから組むことから、出てきた候補を選んで微調整することに変わります。
この書き出し作業自体が、引き継ぎ資料にもなります。
担当者が抜けたら止まる状態をどう崩すかは属人化を解消する業務の標準化とAI活用にまとめました。
勤怠まわり全体の考え方は勤怠・シフト管理をラクにするもあわせてご覧ください。
記録は「選ぶだけ」に寄せる
記録をデジタルに移すとき、失敗する原因はほぼ1つです。
入力の手数が紙より増えることです。
現場で求めるのは、選択肢から選ぶ操作とひとことコメント程度に留めます。
文章で書かせる欄を増やすほど、記録は後回しになります。
そして集計や書類化は事務所側で自動的に処理します。
この分担にすると、現場の手数は紙より減ります。
年齢層が幅広い職場ほど、覚えることを減らす設計が効きます。
導入したのに使われない、を避ける進め方はせっかく入れたツールが使われないで扱っています。
北海道の介護施設ならではの事情
道内の施設には、負担を重くする固有の条件があります。
まず冬の通勤です。
降雪や路面状況で職員の到着が遅れ、当日の交代が発生します。
手で組んでいると、この組み直しに時間を取られます。
条件を登録してあれば、代われる人がすぐ絞り込めます。
次に採用の難しさです。
人が増やせない前提だからこそ、今いる職員の時間をどこに使うかが問われます。
そして施設が点在していることです。
複数拠点を運営していると、拠点をまたぐ応援の調整が発生します。
人手不足を前提にした考え方は人手不足の北海道で、AIと自動化が「ひとり分」を生むでも書きました。
記録は「残す」だけでなく「探せる」ようにする
記録をデジタルに移すと、もう一つ効いてくる場面があります。
過去の記録をさかのぼるときです。
実地指導の準備、加算の要件を確認したいとき、ご家族から以前の様子を尋ねられたとき。
紙のファイルだと、該当する日付を探すところから始まります。
綴じられた順に1枚ずつめくり、見つからなければ別のファイルを開く。
この「探す時間」は、記録を書く時間と同じくらい積み上がっています。
デジタルで残っていれば、利用者名や期間で絞り込むだけで出てきます。
探す作業がほぼ消えるため、書く手間が同じでも全体の時間は減ります。
加えて、複数の職員が同時に見られる点も大きな違いです。
紙は1人が見ている間、他の人は待つことになります。
入力の手数だけを比べると差が見えにくいので、判断するときは探す時間と待つ時間まで含めて比べてください。
ここまでのまとめ
介護施設の事務について、押さえるべき点は4つです。
- 記録の様式は減らせない。減らせるのは二度書きと集計の手作業
- 手をつける順番はシフト → 記録の転記 → 月末の集計
- シフトは条件を書き出して「組む」から「選ぶ」に変える
- 現場の入力は選ぶだけに寄せ、集計は事務所側で自動化する
よくある質問
介護施設の事務作業は何から手をつけるべきですか?
毎月必ず発生し、担当者が固定されている作業からです。多くの施設ではシフト作成がこれに当たります。次に手書き記録の転記、最後に月末の集計という順番が現実的です。記録の様式そのものは減らせませんが、同じ情報を二度書いている工程は減らせます。
シフト作成を仕組み化すると、施設ごとの事情は反映できますか?
反映できます。有資格者の配置、夜勤の連続や間隔、希望休、パートの勤務可能な曜日といった条件を最初に書き出して登録しておけば、それを満たす候補が自動で出ます。ポイントは条件を人の頭の中から書き出すことで、この作業自体が引き継ぎ資料にもなります。
職員がタブレットやスマホの入力を使ってくれるか不安です。
入力を選ぶだけの形に寄せることが定着の条件です。記録は選択肢とひとことコメント程度にとどめ、集計や書類化は事務所側で自動的に処理する設計にすると、手書きより手数が減るため使われやすくなります。
小規模な施設でも導入する意味はありますか?
むしろ小規模なほど効果が出やすい傾向にあります。職員数が少ない施設では管理者がシフト作成と記録の取りまとめを兼務していることが多く、その時間がそのまま現場に戻るためです。まずシフトだけ、と範囲を絞って始めれば費用も抑えられます。
「シフトに毎月半日取られている」からご相談を
Ridge Forge は札幌を拠点に、社内にIT担当がいない北海道の中小企業・施設の業務改善に伴走しています。
シフト作成を「組む」から「選ぶ」へ変える取り組みや、現場記録の集約を支援してきました。
まずは今のシフトの組み方を見せていただくところから、一緒に整理します。
実際の取り組みは事例をご覧ください。
選ばれる理由もあわせてご覧ください。ご相談はこちらからどうぞ。
初回のご相談は無料です。