業務自動化 — 2026.10.01

札幌の整備工場・タイヤ店のDX|冬タイヤ交換の予約集中と預かりタイヤの管理

暗い保管庫の棚に並ぶ冬タイヤと真鍮の札に一筋の光が差しているイメージ
雪の日は選べない。選べるのは、その日までに棚からどの組を出しておくか。

「初雪の予報が出た日から、電話が鳴りやまなくなる」

札幌の整備工場やタイヤ店の秋は、毎年こうして始まります。

札幌の雪の初日は平年で10月28日、根雪の始まりは12月6日です。

冬タイヤの交換は、この間の数週間に一気に集まります。

そして春の雪解けのあとに、もう一度同じ山が来ます。

この記事では年に2回の繁忙期に、予約の電話と預かりタイヤの探し物を減らす進め方を整理します。

要点:タイヤ交換の繁忙は年に2回、それぞれ数週間に集中します。減らすべきは、作業の手を止める電話と倉庫で預かりタイヤを探す時間の2つです。最初に作るのは預かり台帳で、お客さま・車・サイズ・製造年・溝の残り・棚の位置を4本1組で残します。そのうえで予約を作業の種類ごとの枠で受けると、前日に出しておくタイヤの一覧まで自動で出せます。既製の予約システムに足りないのは、予約と預かりがつながっていない点です。

年に2回、数週間だけ仕事の形が変わる

北海道では雪道や凍った道を走るとき、スノータイヤを全輪に付けるなどの滑り止めが道の道路交通法施行細則で定められています。

つまり交換は「するかどうか」ではなく「いつするか」の問題で、ほぼすべての車が同じ時期に動きます。

北海道の自家用乗用車は、約277万台あります。

ふだんの点検や車検を回している人数のまま、この山を受けることになります。

そこに整備の人手不足が重なります。

国土交通省の資料では、自動車整備要員の有効求人倍率は令和5年度で4.99倍でした。

全職種の1.17倍を大きく上回っており、人を増やして山を越えるのは年々難しくなっています。

繁忙期に起きている3つのこと

① 電話がピットの手を止める

予約の電話を取るのは、多くの場合ピットに立っている人です。

1本は数分でも、繁忙期には1日に何度も作業が止まります。

② 倉庫で預かりタイヤを探す

どの組がどの棚にあるかが紙の台帳や担当者の記憶にあると、出すたびに探す時間がかかります。

似たサイズが並ぶ棚では、取り違えも起きやすくなります。

③ 溝の残りが次につながらない

交換のときに溝を見ても、記録に残らなければ次のシーズンに活かせません。

買い替えの相談は、繁忙期の当日に始まることになります。

予約と預かりが別々なのが根っこの問題

既製の予約システムは、時間の枠を受け付けるのが得意です。

ところがタイヤ交換は、枠を受けただけでは準備が終わりません。

預かっているお客さまなら、どの棚の組を前日までに出しておくかが決まります。

作業の中身によって、かかる時間も変わります。

ホイールごと付け替える「履き替え」と、ホイールからタイヤを外して入れ替える「組み替え」では、必要な時間が大きく違います。

予約と預かりが別々のままだと、この準備がすべて人の手に残ります。

最初に作るのは「預かり台帳」

4本1組を1件として、次の項目を残します。

  • お客さまと車
  • タイヤのサイズと製造年
  • 溝の残り(入庫のときに測る)
  • 棚の位置

製造年は、タイヤの側面に刻まれた製造番号の下4桁で分かります。

棚には番号を振り、組ごとにQRコードの付いた札を下げます。

スマホで札を読めば台帳が開き、入庫も出庫も1回の読み取りで済みます。

入庫のときに溝を測り、写真を1枚残しておきます。

入出庫の記録を1枚にまとめる考え方は苫小牧の物流・倉庫業のDXでも扱っています。

予約は「作業の種類」で枠を分ける

予約の枠は、作業の種類ごとに長さを変えます。

  • 預かりタイヤの履き替え
  • 持ち込みタイヤの履き替え
  • 組み替え(タイヤの購入を含む)

預かりのお客さまが予約すると、前日の夕方に出庫する組の一覧が棚番号の順で出ます。

朝のうちに倉庫から出しておけば、当日は作業だけに集中できます。

お客さまはLINEやWebで空き枠を見て自分で予約を入れます。

とはいえ電話を受けないわけではありません。

電話で受けた予約も受けた人が同じ画面に入れれば、流れは1本のままです。

作業中の電話を減らす考え方は札幌のサロン・整体の予約の取りこぼしで詳しく整理しています。

溝と製造年の記録は次のシーズンの案内になる

日本自動車タイヤ協会は、冬用タイヤの残り溝が新品時の50%未満になったら冬用としては使わないよう呼びかけています。

その目安になるのが溝の中に設けられたプラットホームという印です。

また製造から10年たったタイヤは、溝が残っていても交換を勧めています。

台帳に溝と製造年があれば、春に外したときに「次の冬は買い替えの時期です」と案内できます。

夏のうちに見積を出しておけば、秋の繁忙期にはタイヤを用意して付けるだけです。

買い替えの相談を繁忙期の外へ出せるのは、記録が残っているからです。

山はなくせなくても前に寄せられる

台帳があれば、預かりのお客さま全員に予約の受付開始を一斉に知らせられます。

初雪の予報を見てから動くお客さまを、その前に枠へ入れておく形です。

早めに予約したお客さまには、空いている平日の枠を勧めることもできます。

交換の時期や持ち物のように毎年同じ質問が来るものは、答えを先に用意しておきます。

その方法は問い合わせ・予約対応を自動化するで解説しました。

どこまで既製品を使い、どこから作るか

整備記録や部品の発注、会計は業界向けの既製品で足ります。

予約の受付そのものも、既製のサービスで始められます。

  • 既製品を使う=整備記録・部品の発注・会計
  • 自社の形で作る=預かり台帳と、予約から出庫一覧までのつながり
  • まず既製品を試す=LINE公式アカウントでの一斉案内

判断軸は「自社の倉庫と作業の組み方で中身が変わるかどうか」です。

予約の入口の作り方は、LINEから24時間予約を受けられるようにしたサロンの事例も参考になります。

ここまでのまとめ

札幌の整備工場・タイヤ店のDXで押さえるべき点は4つです。

  • タイヤ交換の山は年に2回、数週間に集中する
  • 預かりタイヤは4本1組で、溝・製造年・棚の位置まで残す
  • 予約は作業の種類で枠を分け、前日に出庫の一覧を出す
  • 溝と製造年の記録で、買い替えの相談を繁忙期の外へ出す

よくある質問

タイヤ交換の予約はどこから整えればいいですか?

預かりタイヤの台帳からです。お客さま・車・サイズ・製造年・溝の残り・棚の位置を4本1組で残しておくと、予約が入った時点で前日に出しておく組が決まります。予約の受付だけを先に整えても、倉庫で探す時間は減りません。

既製の予約システムだけでは足りませんか?

時間の枠を受けるだけなら既製品で足ります。足りないのは、予約と預かりタイヤをつなぐ部分です。履き替えか組み替えかで作業の時間が変わることと、預かりの組を前日に出しておく準備は、既製の予約システムだけでは人の手に残ります。

預かりタイヤの取り違えを防ぐにはどうすればいいですか?

組ごとにQRコードの付いた札を下げ、入庫と出庫のたびにスマホで読み取ります。読み取った組と予約の組が違えば画面で分かるため、似たサイズが並ぶ棚でも取り違えが起きにくくなります。棚にも番号を振り、どこに置いたかを台帳に残します。

札幌のタイヤ交換ならではの注意点はありますか?

初雪の予報が出た途端に予約が集中する点です。札幌の雪の初日は平年で10月28日ですが、実際に雪を見るまで動かないお客さまも少なくありません。預かりのお客さまに受付開始を早めに一斉に知らせ、山を前に寄せておくと繁忙期の電話が減ります。

「初雪の予報で電話が鳴りやまない」から、ご相談を

Ridge Forge は札幌を拠点に、社内にIT担当がいない北海道の中小企業の業務改善に伴走しています。

予約のシステムを入れ替えるのではなく、いまの倉庫と作業の組み方のまま予約と預かりをつなぐ進め方を得意としています。

まずは預かりタイヤの台帳と繁忙期の1日の動き方を見せていただき、どこからつなぐかを一緒に決めます。

業務自動化の考え方は業務自動化のページにまとめています。

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