業務効率化 — 2026.10.09

札幌の除雪業者のDX|深夜の出動をそのまま請求と報告の根拠にする

深夜の雪の上に除雪の跡がまっすぐ残り真鍮のランタンに一筋の光が差しているイメージ
降る雪は選べない。選べるのは、夜明け前の一仕事を記録に残すかどうか。

「朝までに何軒回ったか、日報は昼に思い出しながら書いている」

冬に除雪を請け負う会社では、めずらしくない話です。

札幌の降雪は平年で年479cmにのぼります。

市の車道除雪も、雪の深さが10cmを超えて車の通行に支障が出そうなときに、交通量の少ない深夜から朝の通勤時間までに行われます。

民間の駐車場やマンションの除雪も、勝負は夜明け前です。

この記事では深夜の出動を手間なく記録に残し、そのまま請求とお客さまへの報告に使う進め方を整理します。

要点:除雪の仕事は深夜から早朝に集中し、回る順番も雪の降り方で毎回変わります。そのため出動の記録は後回しになり、月末の請求とお客さまからの「来ていない」という問い合わせの両方で困ることになります。最初に作るのは押すだけで時刻と場所が残る出動記録です。作業の前後に写真を1枚ずつ残せば、回数契約の数え方も報告もその記録から出せます。夏の現場の出面と同じ仕組みに乗せると、1年を通して使えます。

冬だけ仕事の形が変わる

夏は工事や造園、冬は除雪という会社は少なくありません。

札幌市の除雪も、市内23か所の除雪センターで複数の企業がつくる共同企業体が24時間体制で待機する形で担われています。

民間の除雪は、相手がさらに幅広くなります。

月極の駐車場、マンションの管理組合、店舗、個人宅。

冬の数か月だけ、相手も時間帯も仕事の数え方も変わるのが除雪の仕事です。

その切り替わりに記録の仕組みが追いついていないことがよくあります。

出動の記録が残りにくい3つの理由

① 深夜から早朝で事務所に誰もいない

出動の判断も作業も、事務所が閉まっている時間に行われます。

誰がいつどこに入ったかを、その場で受け止める人がいません。

② 回る順番が雪の降り方で毎回変わる

降り始めの時刻や雪の量で、先に回る現場は入れ替わります。

決まった順番の表があっても、その夜の実際の順番は残りません。

③ 記録が記憶と手書きに頼っている

夜通し動いたあとの明け方に、日報を丁寧に書く余力は残っていません。

昼に思い出して書いた記録は、時刻も回った順番もあいまいになります。

契約の形がばらばらで請求が月末に詰まる

民間の除雪の契約の形は、業者によってさまざまです。

  • シーズンの回数を先に決める契約
  • 降った日だけ呼ばれる1回ごとの契約
  • 市の除雪が入った日に合わせて入る契約
  • 除雪とは別に料金が決まる排雪

回数の決まった契約では、何回目の出動かを数えないと請求も精算もできません。

そして数えているのは、業者の側だけではありません。

札幌市の消費者センターには、決まった作業回数に届かなかったのに返金されないという相談が寄せられており、利用者には実際に作業に来た日付を記録するよう助言しています。

お客さまの手元に日付があって業者の手元に記録がなければ、話し合いの材料がありません。

最初に作るのは「出動ボタン」

オペレーターに文字を打たせる仕組みは、深夜の現場では続きません。

スマートフォンで現場を選び、着いたら押す、終わったら押す。

操作はこれだけにします。

時刻と位置は、押した時点で自動で入ります。

現場の一覧は回る順番の候補として出し、その夜の順番は自由に入れ替えられるようにします。

あわせて作業の前と後に写真を1枚ずつ撮ります。

深夜の作業は労働時間の把握も欠かせないため、同じ記録から勤務の時間も出せるようにしておきます。

勤怠の集計をどこから手放すかは勤怠・シフト管理をラクにするで整理しています。

請求も報告も記録から出す

出動の記録がそろえば、請求は数えるだけになります。

契約ごとの数え方を先に登録しておけば、月末には自動で集計されます。

シーズンの回数が決まった契約なら、上限に近づいたお客さまに早めに知らせることもできます。

追加の出動の相談は、雪が積もってからより前もってのほうが話がまとまります。

契約ごとに違う数え方を記録の上に乗せる考え方は苫小牧の物流・倉庫業のDXと共通しています。

報告は、時刻と場所の付いた作業前後の写真を月ごとの一覧にして管理組合やオーナーへ送ります。

除雪を頼む側の管理会社が冬の連絡を受けて手配する流れは札幌の賃貸管理会社のDXで扱いました。

「何時に来たのか」と聞かれても、記録を開けばその場で答えられます。

来なかった日についても、その日の降雪が契約の出動の目安に届いていなかったことを気象の記録と並べて示せます。

担い手が減るほど、現場ごとの申し送りが要る

札幌市の雪対策の審議会資料によると、除雪のオペレーターは50歳以上が約5割、60歳以上が約2割を占めています。

経験の長い人が抜けたあと、新しい人が深夜に初めての現場を回るのは簡単ではありません。

そこで現場ごとに申し送りを写真と一言で残します。

  • 雪を寄せてよい場所といけない場所
  • 止まっている車や物置の位置
  • 雪に埋もれてぶつけやすい縁石や設備

出動ボタンで現場を選んだときに、この申し送りが先に開くようにしておきます。

札幌市も除雪の作業日報の作成を支援するシステムを運用し、GPSの機器を調達しています。

記録を人の手から外していく流れは、公共の除雪でもすでに進んでいます。

夏の現場と同じ仕組みに乗せる

冬の出動記録は、夏の工事の出面と形が同じです。

誰が・どこで・いつからいつまで作業したか。

同じ打刻の仕組みのまま、現場の一覧だけを季節で替えれば1年を通して使えます。

冬のためだけに別の仕組みを入れると、毎年の立ち上がりに使い方を思い出すところから始まります。

現場での出入りをスマホで打刻し、現場別・職人別に自動で集計した建設・工事の事例がこの形です。

現場の書類と写真を減らす順番は北海道の建設業のDXで扱っています。

どこまで既製品を使い、どこから作るか

会計や給与、地図とナビは既製品で足ります。

車両の位置を記録するだけなら、既製の運行管理のサービスもあります。

  • 既製品を使う=会計・給与・地図とナビ
  • 自社の形で作る=契約ごとの数え方と、出動記録から出す請求と報告
  • まず既製品を試す=車両の位置の記録

判断軸は「自社の契約の形で中身が変わるかどうか」です。

位置の記録だけでは請求も報告も出ないため、契約とつなぐ部分が自社で作る価値のあるところです。

ここまでのまとめ

札幌の除雪業者のDXで押さえるべき点は4つです。

  • 出動の記録は、着いたら押す・終わったら押すだけにする
  • 作業の前後に写真を1枚ずつ残す
  • 契約ごとの数え方を登録し、請求と報告を記録から出す
  • 夏の現場と同じ打刻の仕組みに乗せ、1年を通して使う

よくある質問

除雪の出動記録は何から始めればいいですか?

現場に着いたときと終わったときに、スマートフォンで押すだけの記録からです。時刻と位置は自動で入るため、オペレーターに文字を打ってもらう必要はありません。作業の前後に写真を1枚ずつ残せば、お客さまへの報告にもそのまま使えます。

回数契約の数え方はどう管理すればいいですか?

契約ごとの数え方を先に登録し、出動記録から自動で数えます。シーズンの回数が決まった契約なら何回目の出動かが記録から分かり、上限に近づいたお客さまにも早めに知らせられます。月末にまとめて思い出す作業がなくなります。

「来ていない」と言われたときはどうすればいいですか?

出動記録の時刻と位置、作業前後の写真で答えます。来なかった日については、その日の降雪が契約の出動の目安に届いていなかったことを気象の記録と並べて示せます。札幌市の消費者センターも利用者に作業日の記録を勧めており、業者の側にも記録があることが話し合いの土台になります。

夏の工事の仕組みと一緒に使えますか?

使えます。誰が・どこで・いつからいつまで作業したかという形は、夏の工事の出面と冬の出動で同じです。同じ打刻の仕組みのまま現場の一覧だけを季節で替えれば、1年を通して1つの仕組みで回せます。

「朝までに何軒回ったか分からない」から、ご相談を

Ridge Forge は札幌を拠点に、社内にIT担当がいない北海道の中小企業の業務改善に伴走しています。

大がかりな運行管理を入れるのではなく、いまの契約と回り方のまま出動を記録に残す進め方を得意としています。

まずは去年の冬の日報と請求の作り方を見せていただき、どこから記録を自動にするかを一緒に決めます。

業務効率化の考え方は業務効率化・自動化のページにまとめています。

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